セオリー&パフォーマンス試験

今年も試験の季節がやってきましたが、試験の3本柱、1)セオリー、2)パフォーマンス、3)口頭試験のうち、ウエイトの重い最初の二つが取りあえず終わり、胸を撫で下ろしています…。

(舞台では、衣装や装飾品が多いので、全て外した瞬間の解放感がたまりません☺↓)

セオリー試験は、音楽や舞踊の専門的な知識とそれに関する一般教養的なものが問われる1時間強の試験です。言語はヒンディー語か英語で回答できるので、毎年、専門用語など英語で書き表せない言葉だけヒンディー語の文字で書き、その他は英語で回答しています。

今回は、5月5日に行われ、教養や専門用語の説明文の正誤問題5題の後に、インドの古代の戯曲論「ナーティヤ・シャーストラ」のアシュト・ナーイカー(女性の登場人物の8つの心情)、ナヴァラサ(観客の感じる9つの感情)、16拍子のパランのノーテーション、これまで習った曲の中から1曲を選び、その歌詞と内容を説明する問題などが出題されました。(昨年のセオリーは、こんな感じでした)

さほど難しくはなかったのですが、パフォーマンス試験のための練習のし過ぎか、手首や首を痛めてしまい、それに緊張も相まって、序盤、ペンを握る手があまりスムーズに動かず、文字がヨロヨロになってしまいました…が、最後は落ち着いて、納得のいく解答を仕上げることができたと思っています。

試験中に、試験監督の若者たちが、10分おきくらいに、他の試験の試験日のアナウンスやら、衣装が届いたやら、字がキレイと褒めに来るやら、かなりの試験妨害を受けたのですが、終わってしまえば、そしてこれが最後の試験と思えば、これも良い思い出になります。

そもそもセオリーの試験日程のアナウンスがなかったので、もっと先かなーと思っていたら2日前に試験日が分かりましたが、それも良い思い出になるでしょう。だって、最初の年の試験には、机がなくて床に座って解答だったのですが、それも今では良い思い出になっていますから↓(試験中に誰かが写真撮れる状態っていうのも、突っ込みどころ満載ですが・笑)

続いて、5月8日はパフォーマンス試験。これはジュニア・ディプロマ・コースとシニア・ディプロマ・コースを終える時のみ行われます。私は、3年前にジュニア・ディプロマ・コースを終え、今回は3年経ってシニア・ディプロマ・コースの修了試験に挑みました。3年前とは自分の感覚も、踊り方も、カタックに関する考え方も知識も、見えてる景色が全て違うので、当時とは違った緊張感とプレッシャーがありました。

パフォーマンス試験では、16拍子(ティーンタール)、10拍子(ジャプタール)、14拍子(ダマール・タール)のティハーイー、アーマド、パラン、パルメルーなどと、マハーラージ師匠の曾祖父にあたるビンダーディーン・マハーラージさんが創られたトゥムリー♪カーヘー・ローカトをトリオで踊らせて頂きました。(まさかの大トリでした!!)

3年前は、1か月前くらいからディーディーが個別に新しく振り付けてくださった作品で、集中的に稽古をつけてくださっていましたが、今回は、それから3年のうちに習ったものの中から、自分たちで踊りたいものを選んで構成し、何度かそれをディーディーに見て頂き、直すべきところは直すという感じでした。そう振り返ると、3年前には今以上に右も左も分からなかったんだなと思うと同時に、どれだけ既に習ったことのあるものをブラッシュアップするかというのが課題でした。

また、かなり前に構成が決まって、その時点で練習しすぎたためか、セオリー試験の前くらいから手首や首、足の裏の痛みが異常に激しくなり練習できない状態になり、急遽最近オープンしたありあけ堂鍼灸治療院さんにお世話になりました。同院さんの非常に丁寧で安心のジャパンクオリティーのお蔭で、身体はだいぶ良くなり、今日の本番も無事に終えることができました。

本番には、友人や後輩が観に来てくださり、もちろんまだまだなのですが、嬉しいコメントを頂けたので、これまで頑張ってきて良かったなと心底思いました。

また、今回私たちの舞台のために歌を歌ってくれたのが、10年前にデリー大学の寮で一緒だったプリヤンカー。彼女は、当時からデリー大学の音楽学部で学んでいました。音楽合わせの時に「ナマステー」と挨拶した視線の先に座っていたので、お互いビックリ!!こんな嬉しいサプライズがあったのも、励みになりました。

個人的な反省点は、2点。1つ目はラヤとタール(拍)。今回、ダマール・タール(14拍子)でパラント(踊るリズム)を読んでくれる人が、ティハーイーで誤ってしまい、途中で踊りが不安定に。サーランギーとのサムがあったのですが、パラントと一緒にタブラも迷子になり、サムが乱れるという苦い経験をしました。

2つ目は、メイク。正直、これまで見た目より踊りが大事!と思って練習してきたので、メイクや衣装に頼るのは好きではありませんでした。しかし、最近メイクについてのコメントを頂戴したことと、最後の試験ということで、メイクも工夫してみようと思い、数日前から試行錯誤してみていました。かなり自分では改良したつもりでしたが、ビデオで見ると舞台の上では結構それが逆効果になってしまい、表情や表現の妨げとなっていて反省しました…。

次いつどのようなかたちで舞台に立つか分かりませんが、毎回成長した姿を見せられる舞踊家になれるようにこれからも精進していきたいと思います。

終演後のディーディーの温かいハグと笑顔が忘れられません。ディーディーは、私の永遠の憧れです♡

カタック・ダイアリー ♡ Kathak Diary

東京、デリー、ロンドンなどでカタックの研鑽を積んだカタック愛好家のウェブサイト♡

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