Gunijan Sabha – Verse 8

今日は、インド国際センター(IIC)で行われたグニジャン・サバー(ヴァース8)に行きました。

ヒンディー/ウルドゥー語で、「グニジャン」は「知識人」、「サバー」は「集会」を意味します。このグニジャン・サバーは、数か月前からウスタード・イマームッディーン・ハーン・ダーガル・ミュージック・アート・アンド・カルチャー・ソサイティー主催で行われているトーク・シリーズで、インド古典芸術界の大御所が、それぞれの専門とするアートを次世代に語り継ぐことを目的として開催されているそうです。今回は、その8回目。本当は初回にオファーが来ていたそうですが、他の公演とのスケジュールが合わずに、今回漸く実現したとのこと。

プログラムは、マハーラージ師匠とシャーシュワティー・ディーディーのトークで始まり、マハーラージ師匠がいくつかのティハーイーを披露された後、トゥムリーを3曲歌われ、Q&Aセッションで幕を閉じました。トークのタイトルの通り、聴衆もアーティストや知識人ばかりだったので、Q&Aで出てくる質問の質も良かったです。

トークでは、マハーラージ師匠が、幼少時代の様々な想い出話から、これまで歩いて来られた決して平坦ではなかった道を、いつもの通りユーモアをたっぷり交えてお話されました。凧揚げの話、お父様の弟子になったときのお話、お父様の崩御、叔父様のエピソード、デリーに来られたいきさつ、さまざまな楽器への愛着、パドマ・ヴィブーシャン受勲の裏話…以前、聞いたことのあるエピソードでも、聞くたびに何かしら新しい発見があり、トークの中にもアートがあるということに気づかされます。

そして、ティハーイーとトゥムリー。ティハーイーは、十八番の小鳥や動物を表現したものから、人の特徴を描いたものまで、いつも通り観客を沸かせていました。初めて聴いた12拍子のトゥムリーは、他のキャッチーでいたずらなトゥムリーと異なって重く、印象に残りました。

どんなリクエストにも、観客が望む以上のパフォーマンスで返される。改めて、マハーラージ師匠が、言葉も音楽も舞踊も、全ての境界を飛び越える完全なカターカールであることを証明された舞台でした。
そして、プログラム終了後、21時を回ったというのに、そのままクラスへ。クラスでは、トゥムリーとタラーナーを1回ずつさらっと歌ってくださり、最後にプログラムでは歌われなかった他のトゥムリーを歌ってくださりました。このトゥムリーは、とても切なくて、いつも涙なしには聴けない作品です。
このメヘフィル(宴)が、夜通し続いたらいいのにと、宮廷を夢見ざるを得ない夜でした。

カタック・ダイアリー ♡ Kathak Diary

東京、デリー、ロンドンなどでカタックの研鑽を積んだカタック愛好家のウェブサイト♡

0コメント

  • 1000 / 1000