Vasantotsava 2018

先日ご案内させて頂きましたVasantotsava 2018が、幕を閉じました。

私の通っているカラーシュラム芸術学院主催の公演なので、自分の出演前以外の時間はバック・ステージのサポートで、楽屋や舞台袖、操作室などを走り回ったり、ゲスト対応などに追われ、殆ど観れないのですが、今年の最終日のお家元総出演の舞台は着席して観ることができました。豪華すぎて、ただただため息をつくばかり…。言葉を失いました。

個人的に一番のハイライトは、マハーラージ師匠の長女カヴィタ・ディーディーのご登場でした。40年ぶりに舞台に立たれたとのことなので、著名な古典声楽家のお家に嫁がれて以来の舞台だったと思われます。一つ一つの動きや表現、表情に深みがあり、シンプルな動きで、こんなにも観客を静かに魅了することができるのかと思いました。その中でも、特にミーンドが素晴らしく、客席からため息の連続でした。ヌリッタの他に、マハーラージ師匠が2015年に映画「バージーラーオ・マスターニー」に提供した作品「モーヘー・ラング・ドー・ラール」をソロで踊られていました。

マハーラージ師匠は、彼女の踊られる瞬間を、とても嬉しそうに満足そうに見ながら、タブラで伴奏されていました。その横に、長男・次男のジャイキシャン&ディーパク・マハーラージさんたちが、タブラとパラントで並ばれ、舞台が非常にアットホームで温かく見えました。本当に贅沢すぎる瞬間でした。

このカヴィタ・ディーディーの舞台の後に、マハーラージ師匠はいくつかのフットワーク、アヒル、象使い、クジャクなどを披露され、23時50分頃、舞踊祭は幕を閉じました。80歳、本当におめでとうございました!!

また、次に感動したのが、マハーラージ師匠の長男のジャイキシャン・マハーラージさんが立って踊られた後、バーヴァを披露されたことでした。ご自身のオリジナルのコンポジション以外に、マハーラージ師匠の往年の作品をいくつか披露されていて、芸術が次世代に継承された瞬間を見た気がしました。

ラーム&クリシュナ・モーハンさんたちのデュエットを拝見したのも、何年ぶりだったでしょうか。兄弟でも全く異なるタイプ同士舞踊家さんで、特にタートやアーマドなど、ヴィランビト・ラヤの繊細な動きから、故シャンブー・マハーラージさんのスタイルが見えたような気がします。ディーパク・マハーラージさんは、十八番のフットワークとラヤカーリーで、そして三女マムター・ディーディーは、「マハーバーラタ」のダラウパティーのくだりを引用した作品をダイナミックに表現され、会場を魅了されていました。

9世代目は、イプシタ・ディーディーが、ヴァンダナー、ヌリッタ、トゥムリーを踊られ、それぞれ全く異なる世界を鮮やかに表現されていました。彼女の伯母様&お母様譲りの表現力が素晴らしかったです。トリブーバン・マハーラージさんは、ヌリッタのみで、16拍子のテーカーを一部サイレントにしたタールで踊られていて斬新でした。シンジニー・クルカールニーさんは、川が海に合流する流れをテーマにした現代的な作品を16拍子と11拍子のヌリッタを交えて披露されていました、彼女はこの2年ですごく踊り方が変わったと思います。美しさに加え、長い手足がすごく活かされる踊り方をされていて、これからがとても楽しみでした。音響効果が沢山入った音楽もすごく素敵でした。

ラーギニーちゃんは、いとこのスワランシュさんが作られた音楽(確かトゥムリー)と、16拍子ヌリッタ。マハーラージ師匠からも舞踊家として特に信頼され、ここ2年くらいはソロ公演も沢山されて確実に安定した成長をし続けている彼女。観ていて本当に安定感と安心感があります。最後に、最年少のヤシャスワニーちゃん。去年までは子供ながらのあどけなさがありましたが、今年はもはや子供と思わせない表現力に加え、踊りも素晴らしかったです。

6時間以上に及ぶ三世代全員総出の舞台は見応えたっぷりで、マハーラージ師匠の80歳と、この春の舞踊祭Vasantotsavaの20周年に相応しく、企画・構成・制作などをリードされているシャーシュワティー・ディーディーに脱帽でした。未熟ながらもこの舞踊祭で舞台を踏ませて頂けたことに、本当に感謝したいと思います。

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