[Day1&2] Vasantotsava 2017 in Lucknow

2月1日〜3日、カタックの聖地ラクナウーで行われた春の祭典に参加してきました。
最初の2日は、ビンダーディーン・キー・デーオーリーにて。ビンダーディーン・キー・デーオーリーは、マハーラージ師匠の生家で、昨年からはカタックのラクナウー流派のミュージアムとしてウッタル・プラデーシュ州政府に引き継がれています。

初日の2月1日は、ヒンドゥー暦バサント月の5日目で、芸術と学問の女神サラスワティーに祈りを捧げる日にあたり、グングルー(足の鈴)のプージャー(お祈り)で幕を開けました。また、この日はヒンドゥー暦で、マハーラージ師匠の曽祖父にあたるビンダーディーン・マハーラージのお誕生日だそうで、めでたさ2倍でした。
濃霧でフライトが遅れた私は、朝のプージャーには参加できませんでしたが、バサントの色(春を象徴する黄色)のドゥパッターに込められたマハーラージ師匠のアシルワード(祝福・ご加護)を頂きました。
それから、ブレイクを挟んで、全国各地からやって来たマハーラージ師匠やマハーラージ師匠のおじさまのお弟子さんなどが、それぞれの師匠との思い出話を語り、ラクナウーの昔を回顧するコーナーがありました。名前は存じていましたが、初めてお目にかかることのできた舞踊家の方々もいて、改めてカタックとそれに関わる人々の歴史に触れることができた気がします。

また、ウッタル・プラデーシュ州政府のミュージアムの管理に携わる方々とマハーラージ師匠のトークがあり、20年前に申請したこのミュージアム設立が、政治的な紆余曲折を経て、漸く実現した逸話などを聞くことができました。
そして、夜はマハーラージ師匠によるバイタク♬バイタクは、邸宅などインフォーマルな小さな空間で行われる音楽や舞踊の会です。マハーラージ師匠は、♪ジャーネー・デー・マイカー、♪ジューラト・ラーデー・ナワルキショールなどを歌われ、いつものごとく非常に盛り上がりました。
2日目は、ラクナウーの歴史家とヒンディー語の詩人の方による、カタックやマハーラージ師匠のご先祖にまつわるトークで始まりました。また、ムンバイーのお弟子さんによるカタックの歴史的な変遷や、現代社会でのカタックの教育に関するプレゼンテーションがありました。
写真は、ラクナウーの歴史家。ウルドゥー語、ペルシア語にも堪能で歴史書の翻訳もされているそうです。アワド藩王ワージド・アリー・シャーの宮廷、ラクナウーの著名なタブラ奏者の家系、タワーイフ(芸者)などにまつわるお話をされていました。実際にラクナウーに代々住まわれている方々のお話はすごくリアルでした。
それから、夜はインド全国各地からのお弟子さんによるハーズィリー。「ハーズィリー」とは、直訳すると「出席、参加」ですが、今回の場合は、代々カタックが継承されてきたマハーラージ師匠の生家の中の稽古場で、各自、敬意を込めて数分の舞を披露するというものです。
昨年のオープニング・セレモニーでは、♪グルー・チャラナム(師匠への敬意を表す曲)を皆で踊らせて頂きました。今年は、基本的にカラーシュラム芸術学院の生徒として、お茶出しなど地方からのゲストをおもてなしする裏方をしていたのですが、急遽ディーディーのご好意で姉弟子と一緒に少し立たせていただき、地元のミュージシャンの方の伴奏でアーマドとパランを踊らせて頂く機会を頂戴しました。
マハーラージ師匠の前は、いつも心臓が飛び出そうな上、全国各地からの先輩の前で踊るのは、色んな意味で超緊張しました…。
ありがたいことに、次の日の新聞に掲載されまして、今年のハーズィリーは、特に一生の宝物になりました。([Day3]へ続く)

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