FRRO - 外国人登録オフィス

インドに180日間以上滞在する外国人には、外国人登録オフィス(FRRO)での居住許可登録が義務付けられている。またビザの延長も、このオフィスを通してしかできない。

昨年は、
1. 引越し、
2. Sim カードの期限切れ、
3. ホットメールがハックされる、
4. 外国人登録ルールの変更(?)、
5. 留学先がFRROに登録されていない
というの5重苦のお陰で、連日FRROに通う羽目になり、ビザの延長に約6週間ほどかかった挙句、実質的にはビザの期限が切れた後、更新ビザを入手するまで3週間ほどあった。

つまり、ビザが切れる前にオンラインで更新ビザの申請をしていれば、ビザが切れてしまっても、手続き中ということで滞在が黙認されていた…。

昨年のこの経験があったので、今年はビザの残存期間4日という綱渡り状態であったが、何とかなるだろうとイチかバチかで日本を出国。できれば日本でビザを延長したかったが、在京インド大使館では新しいビザの申請はできても、ビザの延長は受け付けていなかった。

若干不安ではあったが、今回はもう4回目の外国人登録だし、これまで何かしら問題があっても、言われた通りに書類を準備すれば結構何とかなってきたので、何とかなるさという気分半分で渡航。

成田の出国のカウンターでも、デリーの入国のカウンターでも、あと4日しかビザないんですけど…という質問をされたが、現地のFRROで何とかしますと自信満々に答えて、とりあえずクリアし、デリーに着いて直ぐに必要な書類を集めてオンライン申請した。

休暇前に借りてた家を引き払ってしまい、住居が決まっていないので賃貸契約書だけが出せず、滞在していたホテルから取り敢えずのC-Formを発行してもらったが、昨年も賃貸契約後に契約書を後出しするというコンディショナルでビザ更新をクリアできたので、今回も同じ理屈で2週間以内に賃貸契約書を提出するというコンディショナルで押し通してみたら通った。

例年、朝早く行っても番号が呼ばれるまでに最低3時間は待たされるが、カウンターが閉まる15時頃に行くと空いているので、これからデリーで外国人登録をする予定の方がいたら、カウンターが閉まる頃に行くことをオススメする。

実際の手順は以下の通り。
提出予定の書類とパスポートをオフィスの外のカウンターで見せて、整理番号を受け取る。
→オフィス前の警備員に整理番号を見せる。
→オフィスに入れる。
→整理番号が呼ばれるのを待つ。
→書類を提出。
 
通常、書類を提出して問題がなければ、数日〜1週間後にビザ受領となる。

オフィス内の窓口は、
Reception, 
MHA(Ministry of Home Affairs), 
カウンターNo.1〜7、
Signing Authorityがある。

ReceptionとMHAは、常に超フル稼働で数時間待ちなのに対して、カウンター1〜7の半分以上は常に空席で、担当者がカウンターにいるところでも、人が並んでいるわけでもなく、ただ座ってダベっているだけで正直何をしているのか分からない…。

書類は、Reception→MHA→Sign Authorityの順で回るのだが、その後なぜかまたReception→MHA→Receptionに回され、各担当者がサインする。

最初のReceptionとMHAの間に、自分の通学する学校宛にEメールで、確認がされる。学校側がこのEメールに答えないと、プロセスが頓挫。
今回は、まずここでハマってしまい、一回学校側にオンライン承認を要請して出直すことになり、無駄足を食らってしまった。

また、各窓口を10分おきぐらいに逐一担当者に声をかけてフォローしないと書類の流れが滞り、書類が埋もれてしまうので気が抜けない。かつ自分と同じようにプロセスを並んで待っている外国人も皆同様にフォローし続けるので、かなりのカオスである。

中には言語の違いから担当者との意思疎通が難しかったり、ただイライラして文句を言っていたり、規則上ムリなのにインドだから何とかなるだろうとムリを押し通そうとしている人がいるので、余計に時間がかかる。

空いている場合で、上記の一連の書類の流れに約3時間が過ぎると、漸くカウンター6でパスポートを提出でき、A4サイズ1枚のStay Visaと、パスポートにビザ延長期限の書かれたスタンプを押してもらえる。もちろん、ここでも待たされるが、ここまで来るとあと一歩。やっと明かりが見えてくる。

最後に、Stay Visaとパスポートを持ってまたSigning Authorityへ行き、サインをもらうと完了。

この最後のサインのタイミングで、大家が外国人をテナントにするための書類がないと言われて焦ったが、所定のフォームに大家の名前や住所と自分の名前やパスポート番号を記入するだけだった。それを大家に渡すことで、大家が外国人テナントの登録手続きに進めるというもの。
去年からの変更は、この大家に渡す書類の一点だけだった。

オンライン申請を受け付けているにも関わらず、結局紙のファイルのたらい回しなので、FRROに来るといつもマハーラージ師匠の作品「ファイル・カター(ファイルのお話)」を思い出さずにいられない。

「ファイル・カター」は、役所内でたらい回しにされるファイルの話だ。あるファイルが主人公で、サインされるために担当者から担当者へたらい回しにされているうちに、最終承認サイン者が異動になり、承認プロセスがコンプリートする前にまた他のファイルの下に埋もれてしまったり、オフィスの引越しがあったりして、最後は散り散りに破れてしまうという、コミカルな風刺作品だ。

インドでこのたらい回し攻撃を受けた人には、この作品は滑稽に感じられるかもしれないが、先進国の住民には、実際の感覚は伝わりにくいかもしれない…。4年目のデリー生活は続く。

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