Dukhtar/娘よ

映画「Dukhtar(娘よ)」を映画館で観ました。パキスタンの児童婚、強制結婚などをメインテーマにしたアフィア・ナサニエル監督の作品です。

オープニングから映像がとても綺麗でした。パキスタン北部の河を、主人公アッララキが紅白の衣装を身に纏ってボートで進む姿に、ミシュラ・ジャーティー(7連符)で刻むBGM。音楽が悠々とした川の流れや風景に調和していました。

児童婚や部族の紛争というシリアスな内容ですが、カーチェイスなどのスリルや緊張感、悲愴感だけではなく、ロードムービーで移り変わる背景、挿入歌、サミア・ムムターズの美貌と衣装、娘役を演じたサーレハ・アーレフの愛らしさ、華やかな古都ラーホールの賑やかな夕方など、緩急交えて描かれていました。映画を観て1日経って思い返すと、映像としては綺麗すぎて、逆に肝心なメッセージが弱まってしまうかもしれないなと感じるくらいです。

そんな視覚効果の強い描写が多い中、会話の中には、比喩的にメッセージが散りばめられています。主人公アッララキとトラック運転手のソハイルの長い2つのダイアログ。一つ目は、ソハイルが、アッララキに自分の生い立ちを話す場面。もう一つは、ソハイルがアッララキに2つの河の話をする場面です。それぞれのロマンティックな場面での会話ですが、映画のバックグラウンドや社会問題に関係しています。


アフィア監督は、パキスタンとアフガニスタンの国境に近いクエッタで生まれ、古都ラーホールの大学へ進学し、国際機関での勤務を経て、コロンビア大学大学院で映画制作を学んだそうです。コンピューター・サイエンティストから映画監督に転身し、コロンビア大学やニューヨーク大学で教鞭もとるNY在住の女性です。

主演は、インド舞踊を学んだ後、舞台やTVで女優として活躍してきたサミア・ムムターズ、同じくもともと舞台俳優として活動していたモヒブ・ミルザー、そしてウルドゥー語版セサミストリートやコカ・コーラなどのCMにも出演している子役サーレハ・アーレフ。(以上は、パンフレットによる情報。)

様々な社会問題が、さりげなく織り込まれている「Dukhtar」は、この夏、全国各地の映画館で上映されているようです。

#dukhtar #娘よ #パキスタン #映画 #パキスタン映画 #アフィア・ナサニエル #サミアムムターズ #モヒブミルザー #サーレハ・アーレフ #pakistan #movie #pakistanimovie #AfiaNathaniel #SamiaMumutaz #MohibMirza #SalehaAref 

カタック・ダイアリー ♡ Kathak Diary

東京、デリー、ロンドンなどでカタックの研鑽を積んだカタック愛好家のウェブサイト♡

0コメント

  • 1000 / 1000